丹波篠山 城下町ぶらぶらツーリング

2011/09/16 兵庫県 丹波篠山

  • 走行距離 : 160km
  • 参加者 : たみたん、師匠
 
出発は押しがけから

5月以来となるひっさしぶりのツーリング。しかも前回はめっちゃ近所をぐるぐる走り回って帰ってきただけ・・・という、ツーリングとは言い難い内容のものだった。今回はもうちょっと足をのばして「旅」気分を味わいたいところだ。セロオもたっぷり走ってやらないと錆びついてしまう。(すでにサビサビではあるのだが・・・)

今月は木・金が休みという出勤カレンダーになっている師匠に合わせて、子供たちが幼稚園・保育園に行ってるのをいいことに、親ども2人してバイクで出かけることにする。しーたんは幼稚園の預かり保育に6時まで預けてきたので、時間にも余裕あり。朝9時過ぎに幼稚園バスを見送って、さぁ師匠の実家へGO!

いつも問題なのが師匠のDR号。決まってエンジンがかからない。確率100%でかからない。だったらなんとかすればいいのに・・・と思うんだが、師匠曰く「ずっと乗ってないとバッテリーが弱るねん」とやらで、セル始動のDRは弱ったバッテリーではエンジンがかからない。その点セロオはエライ!キックついてるもんね〜〜〜。っていうか、今はむしろキックオンリーだもんね〜〜(泣)。セロオのバッテリーどこ行ったのよぉ?一応セロオにもセルついてるんですけど。長年セルでかけた記憶がない。いっつも蹴ってる。

しかしながら、朝一は絶対私のか細い足のキック力では力が足りず、セロオのエンジンはかからない。師匠に頼むと一蹴りでかかった。ふぅーっ、朝から汗だくだ。

一方、問題のDR。「DRエンジンかかるん?」と家を出る前に念押ししたら「こないだかかったから大丈夫。」と自信満々だったのに、やっぱりかからないじゃん!!!おいぃぃ〜〜〜〜。お父さんにバッテリー充電を頼んでいたにもかかわらず、まったくパワー不足でかからない。やっぱ時代はキックだよ。頼れるのは自分のみ。(といいつつ師匠に頼りっぱなしやけど)

「しゃぁない、押しがけか・・・」と、とぼとぼ重いDRを押して自宅前の坂道を下っていく師匠。何度か「ぷすん」「ぷすん」と空振りの音が聞こえた後、「バババッ。バババババババ」とエンジン音が。「ふぅ。やれやれ。かかって良かったわい。」でも時間はすでに11時前。とほほ・・・

予約のとれなかった「古民家カフェ」

今日の行先は「篠山」。『月に一度はカフェに行こう』という師匠の「月1カフェ・プロジェクト」に賛同し、今はもうとるのをやめてしまった神戸新聞さんの情報誌に載っていた、古民家再生カフェがよさそうだったので、そこへ行こうということになった。しかしよくよくそのお店の記事を見てみると「ランチは前日までに要予約」と書いてあるではないか。おっと。予約してないぞ。朝10時オープンなので、オープン直後に電話してみる。

師匠がちょうどDRの弱ったバッテリーに悪戦苦闘している間、私は古民家カフェに電話をかけ続ける。何回かけてもつながらない。おっかしいなぁ・・・。ちょっと時間をおいてもう一回かけてみたらようやくつながった。しかし、やはりランチは前日までに予約しておかなければならないとのことで、残念ながら古民家ランチはできなくなってしまった。たった2人分くらいならどうにかなるだろうと思っていたこちらが甘かった。「お茶だけならできますが・・・」と言われたのだが、飲み物だけでサンドイッチなどの軽食はやっていないとのことだったので、今回はパスして他をあたることにしよう。ま、他にもいろいろお店があるだろうから、現地についてから探すことにするか。

バイクの写真が登場しないツーレポ

ところで。今回のツーレポにはバイクの写真はまったく登場しない。「ほんまにバイクで行ったんかー?」と言われるとそれまでなのだが、別にウソをつく理由もない。ただ単にあまり写真を撮らなかっただけの話だ。

1枚だけ途中のコンビニで休憩中の写真にバイクが映っているが、それはネタにはなりそうにないので(コンビニの案内してもしゃあないし)ボツ。篠山をうろうろしてたら途中で雨が降ってきて、篠山でもあまり写真が撮れなかった。帰りは土砂降りの雨にあい、写真などと言ってる場合ではなくなってしまった。

そんなわけで、今回のツーレポはバイクが登場しません。でもちゃんとDRとセロオで行ってきました。篠山の城下町をうろついてる時の写真ばかりでお届けする「篠山城下町ぶらぶら」レポートです。

初めて立ち寄った篠山

「篠山」には何度も来たことがある・・・というより、何度も通過したことがある。たいてい京都方面の林道を走りに行く時の通過点になっており、「あぁ、なんかよさげな城下町やなぁ〜」と思いながら素通りしてきた。今日はここが目的地。ゆっくり城下町を堪能したい。

城下町なのでてっきりお城があるもんだと思っていたのだが、「篠山城跡」であった。そういえば、このお城にかつて誰が住んでいたとかいうこともまったく知らない。調べてみると、なんとあの徳川家康が築城を命じたのだとか。今は城壁とお堀しか残っていないが、結構大きな城だったに違いない。

城跡の前に駐車場があった。「1回200円」と書いてあったが、おっちゃんが「バイクはそっちの赤いコーンのところに適当に停めといて」と言い、その赤いコーンには「無料バイク置き場」と書いてある。やった!無料だ無料だ(せこい私)。できれば「1回200円」の看板に「バイク無料」と書いといてもらいたかった。実は無料の駐車場を探してぐるぐるまわってきたのである。

「黒豆うどん」を食す

バイクを停めてまずは観光案内所で城下町マップを手に入れる。でも大したこと書いてないなぁ。もっと「ここは○○がおいしい」とか、「ここでしか手に入らない○○」とか、そういう情報が欲しかったのだけれど。まぁよい。地図を見る限り、ぐるりと1周歩いてまわれそうだ。(先ほどバイクでぐるりと1周すでにまわってきてるのだが・・・)

まずはお昼ごはん。古民家カフェの予約が取れなかったので、どこかかわりのお店を探さねばならない。時間はすでに1時。お腹すいた〜。あんまりこだわって探すと時間がかかりそうなので、手っ取り早くそのあたりのお店に入りたい。ちょうど目の前にあったお店の「黒豆うどん」の看板が目に付いた。

そば屋を探していた師匠だが、「黒豆うどんってのがあるで。これどぉ?」と聞くと「それいっとこか。」とすんなり合意。よっしゃよっしゃ。中入ろ。

ガラガラっと入口を入るといきなり「うり坊」の登場。さすが丹波篠山。ぼたん鍋の街。いたるところに「ぼたん鍋」やら「猪肉」などの看板があり、カニ道楽のイノシシバージョンも発見した。しかし鍋を食べるにはちと暑すぎる。また冬のお楽しみにとっておくとして、今日は「黒豆うどん」をいただくことにする。

しかし、このうり坊、なんてかわいいのかしら。でもシマシマじゃないなぁ。ちょっとうり坊から大きくなった頃のかなぁ。これが大人になるとあんなにぶさいくでふてぶてしい顔になるんだもんなぁ。動物からみたら人間もそうなんだろうけど。「赤ちゃんはあんなにかわいいのに、大人はなんてがめつくって害のある生き物なんだろう」って。

食べたいものは決まっていたが、一応メニューを見てみる。やっぱり「ぶっかけ黒豆うどん」だな。師匠も同じ。せっかくなのでイノシシの一品ものがあれば注文したかったが、手ごろなものがなかった(最低2000円)。ちなみに「ぶっかけ黒豆うどん」は850円だったので、できれば300〜400円程度で、例えば「猪ハム」とか(そんなもんがあるのかどうか不明だが)、なんかちょこっと味わえるものがあったらよかったのに。ちなみに、お客さんは私らだけだった。

厨房でてんぷらを揚げる音がして、間もなく「ぶっかけ黒豆うどん」が運ばれてきた。なんかおしゃれな盛り付け。サラダうどんみたいだ。いや、色が黒いので「うどん」というより「そば」だな。何も言われなかったら絶対そばだと思うだろう。しかし、これは黒豆うどん。

上に乗ってる白くて丸いものは、とろろのてんぷら。これが旨かった!もっちりしていて、それでいてふわっととろっとしていて。よくとろろをてんぷらにしたなぁ〜と感心。そういや、よく行ってた佐用の自然薯料理屋さんでも自然薯のてんぷらをだしていた。あれも旨かった。今日食べたとろろのてんぷらの方がおもちみたいにもっちりとしていたので、ひょっとしたらちょっと小麦粉かなにか「つなぎ」がはいってるのかもしれない。

うどんの方は、あんまり「黒豆」の風味がわからなかった。色は黒いけど、味も食感もそばではない。もうちょっと「黒豆」を期待していただけに、ちょっと残念な感じだ。まずくはない。おいしいのはおいしいんだけど、「ん〜〜、黒豆っ?」って感じかな。まぁでも、コシがあっておいしい麺でしたので、篠山にお越しの際はぜひご賞味あれ。とろろのてんぷらは絶品やし。

城下町ぶらぶら

お昼ご飯は腹8分目だった。その辺をぶらぶら歩きながら、買い食いするのにちょうどいいだろう。外へ出る。古民家カフェの予約は取れなかったが場所は確認しておきたい。城下町をぐるっと見て歩きながら、カフェのある地区へと向かうことにする。

「大正ロマン館」やら「昭和なんとか」など、レトロな感じの建物・お店が興味を引いたが、あんまり時間もないのでスルーする(これおやじギャグ?)。おばちゃんたちのグループがレトロな建物のソフトクリーム屋の前でわいわいいいながら写真を撮っていた。楽しそうだな。そういえば今日は平日。だから人が少ないのか・・・。

さっきの店のなかにはうり坊がいたが、こっちはタヌキ。売ってるものはお寿司なんだけど、なぜかタヌキがドジョウ掬いの恰好してた。「篠山名物・鯖寿司」って書いてあるけど、篠山じゃ、鯖はとれんやろ。鯖街道か?いやぁ違うなぁ、全然離れてるしなぁ。

こちらは「ほろ酔い城下蔵」。ちらりと中を覗くと、いろんなお酒がずらり。うーん、バイクで来てるし飲めないな。残念。でも店構えはいい感じ。絵になるので一枚いただき。

この街の面白いところが、いろんな時代の建物がまじっているところ。もちろん復元されてたり、建て替えしてたりするんだろうけど、江戸時代風の建物や、明治の和洋折衷な感じの建物だとか、昭和の初期を感じさせるものだったりとかが混在している。そして、そういう建物がお店ではなく、普通に人が住んでたりするのも面白い

ぶらぶら歩いていると「黒豆パン」の看板やのぼりをよく見かける。当然、丹波篠山といえば「黒豆」なわけで、黒豆も売ってるし、黒豆の枝豆も売ってるんだけど、黒豆パンが圧倒的人気のようだ。手ごろな値段で買えるからお土産にもいいし、食べながらぶらぶら歩くのにもいい。

師匠がふと「『黒豆パンの元祖』って書いてあるで」というので、見てみると、なるほど確かに元祖と書いてある。

看板をアップにしてみた。

今や、丹波篠山でなくとも、全国的に・・・かどうかはわからないが、少なくとも関西一円では販売されている「黒豆パン」。これの元祖だというのだから、見に行かないわけにはいかない。ここの店主が黒豆をパンに入れるという斬新なアイデアの持ち主だったのだ。たぶん、最初は誰も「豆をパンに入れる」という発想は思いもしなかっただろう。「うぐいす豆ぱん」とか「金時豆ぱん」とか、いろんな「豆ぱん」が存在するが、その元祖の姿とはいかなるものなのか。

ちょうど、さっき食べた黒豆うどんがちょっと足りなかったので、何か食べたいなぁ〜と思っていたところだ。さっそく中へ。

中はこじんまりしたごくごく普通のパン屋さん。おいしそうなケーキも売ってる。シュークリーム150円、チーズケーキ100円。うわぁーおいしそう!

さてさて。黒豆パンはどこかな???

あったあった発見!おや。ちょっと平べったい。一瞬お好み焼きかと思った。へぇ〜これが元祖黒豆パンか。

ところで気になるのがこのお値段。\157.50って書いてあるけど??これどういうこと?

となりにあった「栗パン」も同じく\157.50と書いてある。1個157円50銭ということは、最低2個は買えということか?栗パンもおいしそうなので、黒豆パンと栗パンを1個ずつ買う。

レジでお金を払う時に、レジのおばちゃんに聞いてみた。

たみたん:「ねぇねぇ、これ、157円50銭ってこと?」

おばちゃん:(笑いながら)「そうそう」

たみたん:「じゃぁ、1個だけ買ったらどうなるん?」

おばちゃん:「1個やと157円。2個で315円。」

たみたん:「ほな、1個の方が得やんかー」

おばちゃん:「消費税の関係でね、レジが314円にならずに315円になってしまうんで、1個157.50円っていうことにしてあるのー。1個やと切り捨て。2個やと切り上げ。ほほほ」

「157円×2」とレジに打って、なぜ315円と表示されてしまうのかはナゾだが、まぁそういうことなんだろう。レトロな街中には50銭という値段があってもいいかもしれない。(お釣りは出ないけど・・・)

そして、こちらが今日ランチの予約ができなかった古民家カフェ「恵山」。

中がギャラリーになっていて、中を覗くだけもできる。時間があれば中を覗きついでにお茶だけでもよかったが、ちょっと雨もぱらぱら降ってきたし、さっさと帰ることにしよう。

そういえば今台風がやってきているらしい。今日の夕方から天気がくずれるのだとか。いつも出かける時に雨が降っていなかったら傘を持たずに出てしまうタイプなのだが、今日は師匠の勧めで合羽を持参。私が雨具を用意してくると、たいてい降らずに済むのだが、さすがに台風が来てるとなると確実に雨が降る。

駐車場まで歩いて戻る間に、ポツポツ降っていた雨はだんだんきつくなってきた。それでも「これくらいやったら大丈夫やろ〜」と合羽を着ずに走りだしたのだが、すぐに雨足は強まり、師匠はさっさとコンビニの駐車場に入り合羽を着始めた。それじゃぁ、私も着ようかな、と着たのが正解。走り出したとたんにどしゃーっと降ってきた。

2時半くらいに篠山を出て、「行きと同じ道やと面白くないから、違う道で帰ろう」と言った師匠が三田の住宅街に入り込んで迷ってしまい時間ロス。三田はどこも同じに見えて、来るたびに迷ってしまう。なんとかタウンっていうカタカナのタウン名が多くって、同じような高層住宅がいっぱいでわかりにくい。道も全部新しいからよけいわからない。

そんなわけで、雨の中ぐるぐる三田をさまよい、なんとか抜け出し明石へ。5時前に到着。よかった。幼稚園・保育園のお迎え間に合う。あーあー、時間を気にせずにゆっくりツーリングしたい。ちょっと足のばしてみたり、林道入ってみたり・・・。あと10年後くらいか??

今日の走行距離は160km。なんと、近所をうろうろしていただけの前回のツーリングの方が距離走ってた!今度は迷わずに、そして朝のバッテリートラブルもなく、すばやく出発したい。