神鍋カニすきツーリング (その1)

2004/10/10〜11 兵庫県 神鍋高原  
  • 走行距離 : 325km
  • 参加者 : たみたん、師匠、I田さん、N尾さん、F教授
 
連休だ!カニだ!宴会だ!

今回は民宿に泊まって宴会をやろう!というN尾さんからのお誘いで、兵庫県の神鍋高原へ宴会ツーリングに行くことになりました。N尾さん常連の民宿で、カニをたらふく食べさせてくれるそうです。今年初のカニカニ。楽しみです。
しかし連休前からなんと台風接近!3連休なのに電車は止まる、飛行機は飛ばず、みんなどこへも行けないとテレビでは足止めをくらった乗客が空港でうんざりしています。でも我らは自走。行くぞ!神鍋!

日曜日、朝10時半に土山集合。
台風はコースがそれて関東の方へ向かっていきました。今朝はすがすがしい秋空が広がっています。今回は泊まりなので1日目はゆっくり走って、林道は2日目です。
参加者はN尾さんとI田さん、それに今回始めてご一緒するF教授。なんでも大学で講師をしているオフローダーというスゴイ人らしいです。朝から師匠はキャリアをつけたりしていたので、ちょっと集合時間に遅れて到着。着いたらもう全員そろってました。お待たせしてすみませ〜ん!

加古川バイパスを使って県道43号線を北に福崎方面へ。連休だからか、バイパスは車の行列。すり抜けしながら「バイクっていいなぁ」と感じる一瞬です。気候もよく、暑くも寒くもないツーリング日和です。さぁ、カニが待ってるぞっ!今日は林道も走らないし、ドロドロにならないし、宿についたら風呂入ってカニだぁっ!

そばでもない、うどんでもない、もちむぎ麺

しばらく国道を走って「どっかで休憩しますか?」「お昼どこにしますか?」ってな時間になった。とりあえず先頭を走っていた師匠は休憩のためローソンに停まる。
するとI田さんが「ここで休憩するんだったら、もうちょっと先のもちむぎで飯にしませんか?」と言う。

もちむぎ?はて?なんだろう。興味深々です。新しいもの、知らないものには興味を示す3歳児のような私はもう試さずにはいられません。ぜひそうしましょうと、本日のランチは「もちむぎ麺」に決定。場所は柳田國男の生家、博物館の近くにある「もちむぎの里」です。

非常に大きな駐車場にバイク5台をずらっと並べて、モトクロスウェアにブーツでカツカツと立派な和式の建物に入っていきます。ちょうど団体客で予約が入っていたようで、4人掛けのテーブルにお誕生日席をひとつくっつけて、無理やり5人で座ることにします。F教授がイスを探してウロウロしていたので、隣の4人席にすわっていた中年カップルに「イスいっこ借りてもいいですか?」と置いていた荷物をのけさせてイスをゲットしてあげます。だんだんあつかましくなってきたのは気のせいではあるまい・・・。

さて「もちむぎ麺」とはいかなるものか?もちむぎ麺やさんに来てるわけですから、やっぱりもちむぎ麺食べなきゃダメでしょう。なのになぜか「味噌カツ定食」とか注文してる人(師匠)が約1名・・・。

出てきた麺はまさにうどんでもそばでもない麺。色もうどんとそばの中間くらいで、太さもうどんより細くそばより太い。食べた感じは非常に歯ごたえのある細うどんって感じですね。
あとで「もち麦」について調べてみましたが、これは米に「うるち米」と「もち米」があるように麦にも「モチ」と「ウルチ」があるそうです。大麦に属するモチ性の品種でかつてはもち米の代替品として広く栽培されていて、もち米のかわりに使っていたことから「もちむぎ」と呼ばれるようになったそうです。穂や粒が紫色をしていて、食物繊維は白米の10倍も含まれているという優れもの。粘り気があるのでうどん以外にも、ロールケーキやカステラに使用するとしっとりもっちりした和菓子のような食感に仕上がるそうです。(参考資料:はてなダイアリー
入り口にお土産用に売っていたので買ってくればよかった。今度また行く機会があったら買って帰ってケーキでも焼いてみよっと。

たみたん、ナンパされるっ!?

お昼も食べてお腹も満たされると眠い。単車乗ってて眠くなることなんてないと思っていたが、車運転してても眠くなるのと同じように、やっぱり眠くなります。しかも車より危険!
国道312号線を生野を抜けて円山川沿いにひたすら北へ進みます。道もわりとすいていて、非常に眠たい!ふ〜らふ〜らと師匠の後と必死で目をこじあけながらついていく私。でも他の人もきっと眠たいはず。そろそろヤバイと思ったところでローソン休憩をとってくれました。
さぁ、コーヒーコーヒー。

ローソンでコーヒー買ったらレジのところになんと懐かしいチロルチョコがっ!しかも詰め合わせでイチゴやらスイートポテトやら、いろんな味が入ってます。昔はそんなのなかったぞ?
私の後ろに並んでいたN尾さんが、「おおっ!チロルチョコやーっ!しかも詰め合わせやーっ!」と感激して買ってくれました。やはりツーリングにおやつはつき物でしょう。
ローソンの外で腰掛けてコーヒー飲んでると、おばあちゃんが一人やってきました。
「おっきなバイクやねぇ。あんたも乗ってるの?」と話し掛けてくるおばあちゃん。この瞬間、内心「ヤバイっ!つかまった!」と思ったが、お年寄りをほおっておくわけにもいかず、ついつい答えてしまった私。やっぱり話し相手にさせられてしまい、引くに引けない状態で10分ほど、しまいには孫やひ孫の話まで出てきます。
おおおおおい、誰か助けてくれーーぃ。

こういうときってなんていって振り切ったらいいのかわかりません。とにかく無理やり「じゃぁおばあちゃんも気をつけてね」と話を打ち切りみんなのもとへ。ちょっと後ろ髪ひかれます。おばあちゃんはとぼとぼとローソンの中へ入っていきました。

「なに?知り合い?」
「いやぁ、ナンパされちゃいましたよ〜」
みんなでコーヒー飲んで、チロルチョコ食べながらしゃべってると、さっきのおばあちゃんがプリン2個買ってでてきました。まだこっち見てます。

「さて、そろそろいこかー」とバイクにまたがってメットかぶってると、消え去ったはずのおばあちゃん再び登場!ニコニコしながらやっぱりこっち見てます。
よっぽど話し相手が欲しいのかしら?でもプリン2個買ってたところを見ると、家にはおじいちゃんか誰かがいるはず。それとも2個とも自分で食べるのか?歯が弱いのでプリンが主食?まさかねぇ・・・。

トンネルを抜けるとそこは雨国

さっきのローソンミーティングで、今日も一本林道を走ることになりました。ハチ北のスーパーストレートを走ってから神鍋に向かいます。国道9号線をひたすら北へ、北へ。

ところが、北の空の雲行きが怪しい。どうみても雨。ここらでカッパを着ようと南但馬トンネルの手前で単車を止めてカッパを着ます。
実はこのカッパ初登場です。四国ツーリングに行くときに買ってありましたが、雨の日は走りにいかないので今まで出番がなかったのです。今日はいよいよその出番がやってきました。YAMAHAのY's GEARだぜぃ!YAMAHA乗りですからねぇ、いちおう。

着てみると、なかなか良いではありませんか。男女兼用サイズのSですが、私はちっちゃいのでウエストバッグまですっぽりかぶせることができ、濡れなくてすみます。
おニューのカッパーー!と喜んでいたら教授が「しっぽ出てますよ」と私に言うではありませんか。
「ん?なに?新品なのにほつれてんの?」と思って自分の後ろを見てみると、確かに黒いしっぽがぶらんぶらん・・・。このカッパ、その名も「クルクルクルクルレインスーツ」といい、その黒いしっぽでクルクルクルクルっと巻いてしまえるようになっているので、その黒いベルトがぶらさがってたんですね。でもこのベルト、どっかにボタンがついていてとめておけるわけでもなく、ジャケットに縫い付けてあるので取り外すわけにもいかず処理に困ります。しょうがないのでキュっと結んで丸めてうさぎさんのしっぽくらいにしておきましょう。

5人ともカッパ着てみると色とりどりで5レンジャーみたいです。N尾さんは桃レンジャー、I田さんは青レンジャー、F教授は赤レンジャーで私と師匠は2人ともオレンジっ!ダメじゃん。なんで緑にしなかったのさー。べつにおそろいで買ったわけでもないのに、たまたま2人ともオレンジ色でした。おしいなぁ、あと一人、みどレンジャーがいればそろったのになぁ・・・。

そんなバカな話はさておき、出発です。
ほんとにトンネルのすぐ手前で着替えたときにはまだ小雨がパラパラって感じだったのに、トンネルを抜けた瞬間、バケツをひっくり返したような大雨。
ひぇぇぇぇ、前見えないよぉぉぉ。雨ツーリングは初めてですが、なにごとも経験!単車はキレイになるのでいいかも?

霧のスーパーストレート(瀞川林道)

どしゃぶりの中を、それでもハチ北スーパーストレートを目指して走ります。こんな雨でもやっぱり林道行くのっ?う〜ん、やっぱりこれもオフローダー修行の試練なのかっ!
関宮で県道87号線に入り、ハチ北のスキー場を抜けて林道に入ります。雨はだいぶ小雨になってきましたが、どんどん標高があがってくると霧が発生して前がなんにも見えません。そして大きな問題が・・・。

シールド曇って何にも見えへんやん!

いままで便利だと思っていたシールド付きのARAIのヘルメット。大きな欠点がありました。林道でシールドあげてると石とか虫とか飛んできたり、枝とかささったりして怖いし、でも下げてるとすぐに曇って前が見えなくなる。パタパタとシールドを上げたり下げたりしながら林道走ります。前回はスーパーストレートぶっとばしましたが、今日は無理。だって前見えないモン!60km/hくらいでやめときます。辺りは霧やし、砂利はすべるし、前は見えへんし、「もう、ええやろ?林道。早く宿行こうや〜〜。」

民宿「なかひろや」でカニ三昧

転倒もなく無事に林道を走り抜け、長い長いトンネルを抜けるとすぐに宿に到着しました。6時前には到着です。
今日のお宿は民宿「なかひろや」さんです。はなれがあり、そのはなれの2階の大広間に5人ゆうゆうで泊まります。
かつてはスキーゲレンデがあってにぎわっていたそうですが、今ではリフトの操業もやめてしまい、すっかり閑古鳥が鳴いているようです。ひっそりとしていて山に囲まれたいいところなんですけどねぇ。民宿のおっちゃんもおばちゃんもとっても親切で、昔ながらの民家になんだかホッとできる雰囲気がそこにはあります。5台並んだオフロードバイクが似合いますねぇ〜。

とりあえずみんな雨にぬれてびしょびしょなので、まずは温泉にいくことにします。民宿ではお風呂をやっていないので、代わりに民宿の近くにある「道の駅 神鍋高原」に併設された温泉「湯の森 ゆとろぎ」の入浴券をくれました。ちなみに入浴料は500円。女湯は2箇所ありますが、中でつながっているので、正しくは脱衣所が2箇所。それでも脱衣所が狭く、ヘアドライヤーは1つしかありませんでした。お風呂は露天風呂が2個、ジェット風呂1個、内風呂2個と、たくさんあります。お湯はカルキ臭かったように思いますが師匠は「アルカリの湯やったねぇ」っていってました。泉質を見ると確かに「アルカリ性単純泉」と書いてあります。さすが温泉マニア!

お風呂入ってさっぱりしたら宿へ戻って本日のメインイベント。待ってました!カニ宴会!
まだ今年のカニは解禁になってないそうで、(11月解禁だそうです)冷凍だといってましたが、それでも十分。母屋に入るとさっそく民宿のおばちゃんが「今カニ切ってるとこなので、とりあえずちょっとだけ先にもってきましたから、焼いて食べててください」と大きなお皿に山盛りのカニを盛ってきました。
「え?これでちょっとだけ?」
何万円も出して旅館にカニ鍋の夕食付なんかで泊まってもこんなにいっぱい出てけこないで。すごい!今夜はカニ食べ放題じゃ〜!

焼きガニをすすりながらビールを飲んで盛り上がってると、今度はおっちゃん登場です。最近田舎のほうではどこでも秋祭りをやっていますが、ここらへんでも今日お祭りがあったらしく、日本酒を片手に「これは、お神酒なんで、みんなで召し上がってもらおう思て。どうぞどうぞ」と真っ赤な顔してやってきました。ニコニコした人のよさそうな、田舎のおっちゃんって感じです。お酒が大好きで飲みすぎてしばらく入院してたそうな。3,4日、記憶がなかったとか・・・。無事に退院できてよかったねぇ。でもそんなに飲んでたらまた病院送りになっちゃうよ?

おばちゃんがさらに大きなお皿に山盛りのカニを持って登場です。
「これで半分なんですぅ。あと残りはまた持ってきますので。どうぞ食べなすってください」
えええええっ。これでまだ半分??焼きガニを堪能して、やっと鍋にうつります。野菜もてんこもり用意されていて、見ているだけでお腹いっぱい。
お手洗いに席を立ってまた戻ってくると、この部屋にカニ臭がたちこめているのがよくわかります。

その後、たらふくカニを食べ、最後はもちろん雑炊でしめて、おばちゃんがもってきてくれたカニはなんとか全てたいらげました。そして宴はまだ続くのであった・・・。