たいこ弁当ピクニックと黒川温泉 (その1)

2005/10/09 兵庫県 加美町〜黒川温泉

  • 走行距離 : 200km
  • 参加者 : たみたん、師匠、N尾さん、KSR改めMさん
 
ちっちゃな林道見つけました

土曜日に「ちっちゃな林道見つけました。明日走りに行きませんか?」とN尾さんからのメールがやってきた。天気予報では日曜日は晴れ。秋のさわやかなこの時季に走りにいかないでどーする。「山頂で巻き寿司でも食べて、温泉にでも入って帰ろう」というお誘い。

最近「遅めの出発&ちょっと林道&温泉」というナマケモノスタイルがすっかり定着してしまった私たち。いつものメンバーでいつものようにのんびりと(私は一生懸命走ってるのだが・・・)秋のツーリングを楽しむ。

集合は最初9時の予定だったが、朝起きた時点ですでに無理。10時に変更してもらった。例によって例のごとく、集合してからもコーヒー飲んでなんだかんだ話しをする。N尾さんの「おやじギャグ」は今日も絶好調!時々「年代モノのネタ」は理解できずに苦しむのだが・・・。

KSR改めMさんは今日はKSRではなくXR200というバイクでやってきた。なので今回はMさんと呼ぶことにする。「N杉さんが来るんやったらKSRにしようと思ったんやけどなー」と高らかに笑う。バトルができなくて残念そうだ。

夢にまで見た「たいこ弁当」

お昼ご飯は「マイスター工房の巻き寿司」にしたかったのだが、今日はどこも秋祭りで予約がさっとうして売り切れなのだそうだ。ああ残念!

仕方ないのでコンビニ弁当とカップヌードルにしようということになった。ちなみにN尾さんは全員分のカップヌードルとストーブを持参。準備万端である。それに対して私が持っていったのはカントリーマアムの期間限定販売「マロン」4つ。余談だが、カントリーマアムはツーリングにはかかせない。あのしっとりとした食感はただのクッキーではなくケーキを思わせる。そしてチョコの甘さは疲れと空腹を癒してくれるのだ。あぁ、カントリーマアム万歳!最近はいろんな種類が発売され、新しいのを見つけるとついつい買ってしまう。

話がそれたので元にもどすが・・・。「たいこ弁当」というお弁当屋さんが兵庫の西の地域には存在する。大阪ではみかけないが、この辺りでは誰もが知ってるものらしいので一度行ってみたかったのだ。

ここではバイキングスタイルで好きなおかずをつめていき、計り売りで買って持ってかえることもできるし、店内で食べることもできる。前回のツーリングで昼食を「たいこ弁当」にするか「うどん屋」にするかで、結局うどん屋になったため、私の「初たいこ弁当」は実現ならなかった。

そこで今日はお昼のお弁当をたいこ弁当で買っていくことになった。たまたま途中にコンビニがなかったためであるが、私は「初たいこ弁当だー!」と大喜び。きっと地元人からすれば「なんだコイツは?」ってなものだろう。JRのホームで「これがうわさのキヨスクかぁぁぁっ!」と感動しているヤツと大差ない。(そんなヤツを見たことないが)

私は「ばくだんおにぎり」2個と、おかずに「出し巻き」「鳥の唐揚げ」をつめる。師匠が「ほうれん草のごま和えを隙間に詰めろ」というので「ぜったい汁ビタビタになるで〜」と言いつつ指示通りにする。「ひっくり返っても無事なもの」という観点で「出し巻き」と「唐揚げ」をチョイスしたのに、どうなっても知らんぞ。

鉄塔の林道

N尾さんがこないだ見つけたという林道に入っていく。最新のツーリングマップルにはのっていない。名前もない道で山頂に電波塔が立っているので「鉄塔の林道」と呼んでいる。

ここにくる前にお祭りの神輿集団に何度か行く手を阻まれたが、中でも「大名行列」に出くわしたのはびっくりだった。先頭は馬に乗って、その後ろを大名の格好をした人たちがぞろぞろぞろぞろと歩いている。その横を私たちは鉄の馬に乗ってすれ違う。

この林道はMさんは何度も走っているそうで「ここを走るたんびにパンクしてるわ。こないだはクギ2本くろたー」と言っている。それほど荒れているわけではないが幅が狭く、落ちたら助かりっこないような断崖絶壁なのでスリルがある。おまけに割と急なカーブが多い。とりあえずマイペースな私。

無事に山頂に到着。けっこう怖かった〜。

山頂には鉄塔があり、塔の下にちょうどランチに良いピクニックスペースがある。景色も抜群。そこから山が見える。

見渡す限り山・山・山。あらためて兵庫県は山国なんだと実感し「いやぁ〜、けっこう山ばっかりなんですねぇ〜」とボソッともらした瞬間、N尾さんから「今さら何ゆってんの?」とつっこみ。でも海から1時間くらい走ると山ばっか。そこからまた1時間くらい走ると日本海にでる。あぁ日本って細長い国だ・・・。

師匠が行方不明に!

よさげな道がチョロっとでている。歩いていってみると、どうやら登山道のようでこのまま下まで続いているようだ。

師匠は「セローやったら行けそうやな」というので、「じゃぁいっといで。たまにはセロオもセローらしい使い方したらなあかんからな」と師匠が私のセロオで散歩に出掛けることになった。

ブロロロロロ。ブルンブルン。ブロロロロロ・・・・。
「どこまで行くんやろなー?」(M氏)
「さぁ。まだエンジンの音聞こえるから大丈夫でしょう。」(たみたん)
ブロロロロロ。ブルンブルン。プスッ。
「あ。エンストした。(笑)」(M氏)
・・・・・・・・・・・・・・。シーン・・・・・。
「なんか静かですね。大丈夫かなぁ?」(たみたん)
ブルン。プスッ。ブルブルン。プスッ。
「ちょっと様子見に行ってきますね・・・」(たみたん)

てくてく歩いて降りていくと、師匠が立ち往生していた。格闘の末、いやけがさした様子。

この辺り、けっこう地面が滑りやすく道幅も狭い上にかなり傾斜がきつい。道はどんどん降りていくみたいなのでいいかげんUターンして戻ろうと思ったらしいのだが、切り返すに切り返せない。

この写真ではわかりにくいが、実はけっこう傾斜がきつい。おまけに前日まで雨が続いていたので地面は湿っている。落ち葉(枯れ枝?)が滑るのだ。

手伝おうとしたが、まさかこんな状況だとは思わなかったので手袋をしてきていない。「手袋とっといでー」と言われたので、とりに帰る。

戻ってMさんに「ちょっと助っ人に行ってきます。切り返せないみたいっす」と言うと「よっしゃ!助けにいったろー」といってついてきてくれた。

2人で後ろから押す。

上がったと思ったらズルッとすべり落ち、「よいしょ」っと押し上げてはすべり落ちることを何度か繰り返し、ようやく傾斜のなだらかなところまで押し上げて脱出成功。ハイキングするにはよさげな道だ。これこそ「TC Green」のさいとうさんの言葉を借りると「さわやか」な道だ。

こちらの写真の方が傾斜がよくわかるだろう。脱出後、師匠は何事もなかったかのようにプルルンと行ってしまった。私とMさんは「お昼ごはん前のええ運動になったわー」と、てくてく歩いて登っていった。

ランチの友

師匠と戻ってくると、トイレに行ってたN尾さんも戻ってきてて「なんや、散歩行って戻ってこれへんようになったんか?」と笑っている。

さていい汗もかいたし、ごほうびに「たいこ弁当」だー!N尾さんはストーブを出してカップヌードル用にお湯を沸かす。

おかずにピックしたほうれん草はやっぱり失敗。カラカラの唐揚げビチョビチョに・・・・。衣がふやけてしまっている。

「だから言ったじゃないのー」ブーブーブー(たみたん)

お弁当を食べていると、視界の片隅になにやら「ササッ」と動くものを発見。「ん?」と思って追っかける。

それはちいさなちいさなトカゲだった。岩の上でじ〜っとしてるのでつかまえようとするとまた「ササッ」と逃げる。お箸を片手に持ったままトカゲを追っかける私。「捕まえて食うんとちゃうやろなー」とN尾さん。

「それは『カナヘビ』っていうねん」と師匠が教えてくれた。「カナヘビ」って蛇の仲間?どう見てもトカゲやで。(注:トカゲの仲間です)

N尾さんの話によると、カナヘビはあったかいところが好きなので、岩の上とか日当たりのいいところに「じっ」として日向ぼっこをしてるのだそうだ。確かに目を閉じてとても気持ちよさそうにしている。暖かいところといえば、セロオのシートがあったかいぞ。ということで捕まえてセロオのシートにおいてやったら動かなくなってしまった。暑すぎたのかな・・・。

手のひらの上に乗っけてじっくりと観察する。見れば見るほどかわいい。このちっちゃい手がなんともいえないほどかわいい。じーっと見つめて目と目が合う。顔の位置をずらすと首を振って目を離さない。うーん、コイツ私のことを見つめているな・・・と思ったら、なんとウインクした!トカゲとアイコンタクトを取れた歴史的瞬間である。