バウムクーヘンを求めて琵琶湖1周ツーリング 

2007/10/28 滋賀県 琵琶湖

  • 走行距離 : 440km
  • 参加者 : たみたん、師匠
 
琵琶湖行くなら「クラブハリエ」へ

10月も最終の週末となった。そろそろツーリングのシーズンも終了だ。天気も絶好の行楽日和だしこりゃ〜どこかへ走りに行かねば!ひょっとするとこれが今シーズン最後のツーリングとなるかもしれない。

職場の友人と一緒に走りに行く予定だった。彼らはオンな人達なので必然的にロードツーリングとなる。唐突に師匠が「琵琶湖っ?」「1周するっ?」などと言い出した。琵琶湖まで行くならぜひとも行きたいところがある。それは「CLUB HARIE(クラブハリエ)」という洋菓子店だ。近江八幡にその本店があり、工場やカフェ、お菓子教室やお菓子に関する展示室などがあり、結構1日遊べそうな施設だ。もちろん出来立てのお菓子を買って帰ることができる。この「クラブハリエ」の売りはバウムクーヘン。ここ、近江八幡の本店ではなんと焼きたてのバウムクーヘンが食べられる。この「焼きたてバウムクーヘン」を求めて遠くからお客さんが殺到するという話だ。ぜひぜひそこへ行ってウワサの「焼きたてバウムクーヘン」をゲットしようではないか!

ちなみに、「クラブハリエ」は「たねや」という和菓子屋と同じ系列で(おそらくこちらが先にできたんだろうけど)、この「たねや」も非常に有名な和菓子やさん。大阪に住んでた時はよくデパートで「たねや」の季節限定のお菓子を買ってたものだ。近江八幡には「たねや」の本店も併設されているので、ここに来れば和菓子も洋菓子も買って帰ることができるのだ。

そういうわけで、朝早く出発し琵琶湖を西側から時計回りに回り、3時頃のティータイムに近江八幡のクラブハリエでお茶しようというプランにした。ところが残念なことに友人は所用で来れなくなってしまったので、師匠と2人で走りに行くことにした。

いきなり琵琶湖

今日はめずらしく高速を使って時間短縮。距離があるし目的達成のためにはいたしかたない。

そういうわけで、名神の「大津」インターまでぶっとばしたため途中の写真がない。インター降りたらいきなり琵琶湖だ。しかもこの写真のポイントはかなり北の方・・・。

琵琶湖も南の方はごちゃごちゃとしていてこれといって見所はない(こんなことを行ったら琵琶湖民に失礼かもしれないが・・・)。道もやや渋滞気味でノロノロ走り、やたら信号にもひっかかる。マキノあたりまで来てようやく「湖畔」の雰囲気が漂いだした。このあたりは別荘地らしく、ログハウスがやたら目に付く。キャンプ場や水泳場(湖なので「海水浴場」とは言えない)もたくさんある。途中でカエデ並木を通ったらうっすら紅葉が始まっていた。遠くに比叡山が見えるが、山の上の方はずいぶん赤い。標高が高いのであの辺はもうすっかり色づいてることだろう。

当初の計画では長浜でお昼に「ホワイトギョーザ」でも食べるつもりだったのだが、とうていそんな時間にそんな所にいれそうにないので、ここらでお昼にすることにする。道の駅「しんあさひ風車村」で何か食べようと思って入ったが、こじゃれた洋食屋があるだけで、ちょっと期待はずれであった。それならもうちょっと先の景色のよいところでコンビニ弁当でも食べるとするか〜と、先へ進むことにした。

道の駅は湖に面していて、入り口の道路からちょうと竹生島が見えた。周囲2kmの小さな島で「都久夫須麻神社」というのがあり、ツーリングマップル情報によると「日本三弁天のひとつ」なのだそうだ。近江今津、長浜、彦根などからフェリーがでているようだ。一度行って見たいところだが、今日は時間がないのでカット。

奥琵琶湖パークウェイ

結局通りすがりのコンビニでお弁当を買い、琵琶湖の北側の海津大崎というところにあった東屋で休憩することにした。このあたりの道はとてもいい。湖沿いの静かな別荘地にあり、適度にクネクネした道を気持ちよく走る。湖の水も透き通っていてとてもキレイだ。あぁ、お天気も良く気分最高〜。

今回、師匠は最近はまっている自転車で来ることを考えてルーティングしている。自転車で琵琶湖1周するつもりらしい。結構な距離がありそうだが・・・。完全に1周するなら丸一日ひたすら走ることになりそうだ。ひょっとしたらそれでも1周できないかもしれない。どうせならこのあたりの静かな別荘地にコテージでも借りて泊まって、ゆっくりとサイクリングを楽しみたい。まぁ、なんてブルジョワな発想なんでしょう・・・。

そのまま湖沿いに走ると「奥琵琶湖パークウェイ」に入る。有料道路みたいな名前がついているが、無料で走れる道だ。ちょっと峠越え。山を登って行くと上に展望台があり、琵琶湖が一望できる。

展望駐車場はバイクがいっぱいだ。こんなにバイク走ってたっけ?それにしてもオフ車は少ないなぁ・・・。

展望台からの眺め。結構人がたくさんいたので、人の間を分け入って写真を撮ってくる。やっぱり琵琶湖は広いな。さすが日本一でかい湖だ。

北の方は少し狭まっていて、真ん中らへんが広い。南はまた「キュッ」と引き締まっていて、「キュッ、ボンッ、キュッ」な形をしているのだ。広いところではヨットハーバーがいくつかあり、時々ヨットレースが開催される。きょうもいくつかヨットがでていた。昔、知り合いの知り合いの知り合い(遠っ!)が元ヨット部で、ヨットレースがあるというので乗せてもらったことがある。操縦できない私は「重し」として扱われ、風の向きによって「あっち行って〜」「今度はこっちに寄って〜」と指示されるのだ。風の力だけで進むのだが、風が強い時はなかなかのスピードが出る。それにしてもまぁ、なんと優雅で高貴なスポーツだろう。

奥琵琶湖パークウェーで山を下るたみたんの図。実は今日は道路工事のため一方通行だったのだ。運よく私たちが向かう方向には走ることができたのだが、もしも逆から走ってきてたらパークウェーは通れなかったところだ。そうなるとずいぶんと遠回りしなくてはならないし、内陸の道になるので湖が見れない。知らずに来たのだが、ラッキーだった。

というわけで、対向車の心配はない。相変わらず遅いことは遅いが、少々センターを割っても正面衝突の危険はないので安心して走ることができる。でもやっぱり遅い。

パークウェー途中からの湖の眺め。琵琶湖のいちばん北の端の、ちょっと入り組んでるところ。湖の際に道が見える。これから降りてあの道を走って湖の東側を南下していくのだ。

道の駅「湖北みずどりステーション」

湖の東岸にやってきた。やたら天気がよく暖かいが、ジャケット着てバイクで走っているとちょうどよい気温だ。そろそろ休憩しようと道の駅「湖北みずどりステーション」というところに入る。なぜだか結構な賑わい。中に入ると人がわんさかいて、買い物かごに特産品の野菜やらなんやらをいっぱい買っている。何が売ってるのか見ようと思ったが、狭い通路に人がいっぱいで通れない。

「みずどりステーション」という名前のとおり、このあたりは野鳥観察の拠点でもある。道の駅の向かい、湖側には「水鳥公園」という公園がある。双眼鏡を片手にうろついているオジサン発見!

ちょこっと小腹が減ってきたが、クラブハリエのバウムクーヘンでお茶にしたいので、ガマンする。あぁ楽しみだ。でもまだ先は長い。ホワイトギョーザの長浜も素通り。ヘンな形のクラシックカー3台発見。「なんじゃあれぇ?」と横目に走ってたら、車線変更してきて私たちの後ろについた。それからしばらく私たちが先導する格好になってしまった。妙な気分だ。

待望のバウムクーヘン

湖の東側は田んぼが広がるのどかな風景で、西側とはまた違った趣を見せている。まぁ、ある意味平凡でたいくつだ。天気がよくて気持ちよく走れるが、反面眠たくなってくる。国道をひたすらバウムクーヘン目指して走りつづける。

よくやく近江八幡市に入ると、観光名所の水郷が見えてきた。屋形船乗り場を通り過ぎ、クラブハリエを探す。地図によればそれほど駅から離れていないはずだ。もうだいぶ近くまで来ているはずなのに、まったくどこにあるのか見当もつかない。かなり有名な場所なので、近くまでくれば看板や案内がでてると思ったのだが、それらしきものが見当たらない。バイクを止めてもういちど地図をチェックする。碁盤の目になった細い路地の中にあるので、どうやら歩いていったほうがよさそうだ。

近江八幡の城下町にバイクを停める。さっきから2〜3回往復しているが、見つからないので歩いて探すことにした。メンタームの近江兄弟社の真ん前にバイクを停め、人がぞろぞろ歩いていくのについて、細い路地を入っていくと、お堀(?)にかかる橋が見えた。小さなお店が並んでいて、ちょうど店の人が歩いていたので「『クラブハリエ』ってこのあたりですか?」と聞いてみると「すぐそこですよ。」と教えてくれた。こんなに近くにあるのになかなか見つからないなんて・・・。前の道路を何往復もしたのに。

ようやく発見!表は静かだったのに、ここはすごい人だかりだ。車で来たら間違いなく停める場所はない。バイクで来て正解だった。さぁ、バウムクーヘン食べるぞ〜!

門をくぐると広いガーデンがあり、レンガ造りの大きな建物が真正面に見える。どうやらここが我らが目指すバウムクーヘンの本拠地らしい。他にもお茶ができるカフェのはいった建物や、和菓子の「たねや」のお店もある。お菓子作り教室はバウムクーヘンの建物の2階で行われていた。

中に入るとものすごい行列。2列あり片方はすごい長い列になっていた。両方ともバウムクーヘンを買うための行列だが、列が短い方は日持ちのするタイプのバウムクーヘン。列が長い方は焼きたてバウムクーヘンを買う列だ。当然焼きたてを買わなくっちゃね。日持ちのするタイプは百貨店でも買えるから。

ガラス越しに工房の様子が見える。竹輪のように突き刺さった長い長いバウムクーヘンを1つずつの大きさに切り分けている様子。あぁ、あのでっかいバウムクーヘンを1本まるごと買って帰りたいワ♪

焼きたてのほかほかのバウムクーヘンが3本ほど干されている。ほどよく冷めたところで、砂糖をかけ、一定の厚みに切っていくのだが、ヘタの部分はゴミをして処分されていく。あぁ、もったいない。1日分にでるヘタの量ってどれくらいなんだろう・・・。ヘタの部分をつかって別のケーキとかつくらないのかなぁ?もったいな〜い。

そしてこちらはバウムクーヘンを焼いている工程。なるほど〜、こうやってバウムクーヘンは焼きあがるのか。ローストチキン焼く機械みたいに、ぐるぐると棒にささったバウムクーヘンがまわっている。生地をかけては焼き、また生地をかける。これをくりかえすことであの木の年輪のようになった何層ものバウムクーヘンが焼きあがるのだ。

これを見る限りバウムクーヘンは家で作るのは無理そうだ。百歩ゆずってクレープみたいに焼いたとしても、できあがりは木の年輪みたいにはならない。わざわざ遠くからこの焼きたてバウムクーヘンを買いに来る人がたくさんいるのもわかるな。

師匠はただただこの人だかりにびっくりしていた。たかがバウムクーヘン、されどバウムクーヘンなのである。店で売ってるバウムクーヘンはもう冷めててしっとりしているけれど、焼きたてのはほかほかでふんわりしてるんだろうな。あぁ早く食べたい。

本当はここのカフェでお茶して帰るつもりだったが、カフェの方もものすごい行列で、とても待ってる時間はない。ので、お持ち帰りで買って帰ることにしたのだ。ちなみに焼きたてバウムクーヘンはお一人様3つ限定である。

ようやくゲットしたバウムクーヘン。お土産用と自分たちで食べる用に全部で3つ買った。やっぱりできたてのほかほかを食べてみたいと師匠が言い出したので、バイクを停めてあるところでさっそくガブリ!豪快にバウムクーヘンにかぶりつく野蛮な2人。

あぁ、しあわせ〜。なんと!バウムクーヘンから湯気がたってる(焼き立てなのであたりまえだが・・・)。一口ほおばるとふわっふわで、口の中に卵の香りが広がる。店で買うバウムクーヘンはしっとりとしてて、噛み応えがあるが、この焼きたてはふわふわでとっても軽いので、はっきり言って1人で1つペロリと食べれそうだ。もう1個買えばよかった。1個を2人で半分個食べたがあっという間になくなってしまった。

遠くまで来たかいがあったな〜。このほかほかのまんまで持って帰りたい。今日はこのバウムクーヘンを買って帰るつもりだったので、おみやげが入るようにリュックを背負ってきたのである。しかしふわふわなのでリュックの中でつぶれてしまわないか心配だ・・・。

急げ!帰り道

バイクを停めてあった場所の前には近江兄弟社のビルがある。ボランティアガイドのおじさんが観光客をあつめてなにやらしゃべっていたが、バウムクーヘンをパクつくのにいそがしくて、話の中身まで聞いていなかった。工場見学できるらしいが、今日の目的は達成したので、あとは早く帰ってしーたんをピックアップしにいかなくてはならない。この時点でもう4時。予想外に時間をくってしまった。

ここまで来たら琵琶湖完全1周だ!と、そのまま瀬田の方へむかって南下をつづける。琵琶湖大橋を渡ってまた大津ICから高速に乗ってもよかったが、瀬田の方は行ったことがなかったので、行って見ようということになった。

ちょうど日がくれて夕日がきれい。夕日と琵琶湖と愛車たち。絵になるなぁ〜。しかしそれほどのんびりしてる余裕は実はない。早く戻って保育所へ行かなくては。今日は朝の7時から預けっぱなしだ。さすがに機嫌が悪くなってるかもしれない。

この後、予想外な渋滞に巻き込まれ、さらに時間がおす。瀬田東ICから乗るつもりだったのに、入り口を見過ごして乗り損ねてしまい、結局大津ICから乗るハメになった。ひたすら高速を走る走る。名神はそれほど込んでいなかったが、地元の明石まで帰ってきて事故渋滞に巻き込まれる。やっとのことで家につき、バウムクーヘンだけ渡して保育所へしーたんを迎えに行く。もうすでに9時をまわっている。

迎えに行くと、予想を反してスタッフが「今日はとってもご機嫌さんで、よくしゃべってくれましたよ〜。ご飯もいっぱい食べて、お昼ねもたっぷりして、ずーっとご機嫌でしたよ」と言ってくれた。心配してたが、まったくその必要はなかったようだ。むしろ家にいるときより、保育所にいるときのほうが機嫌がいいようだ。よくできた娘である。

それにしても今日はよく走った。セロオも高速走ってもなんのトラブルもなかった。まだまだ乗れるぞ。でも今年のシーズンはもう終わりかな???