林道デビュー1周年企画 九州縦断4日間の旅 (Day 1)

2005/05/01〜05 熊本〜鹿児島

  • 走行距離 : 1090km
  • 参加者 : たみたん、師匠
 
初めてのフェリー泊

4月30日、午後5時50分神戸発のブルーダイアモンドフェリーで大分に向けて出航。嗚呼、念願の九州ツーリング!この日のために1年間がんばって修行してきました(ウソ)。うちの会社のゴールデンウィークの休暇がめずらしく師匠の会社並みにあったので、5泊6日(船2泊)のロングツーリングが実現となったのであります。

フェリーでの旅も小豆島か徳島ぐらいしか行ったことがなく、12時間もの長い船旅もまた初体験。けっこう乗船時刻ギリギリに六甲アイランド港に到着したので食料調達できず、船内の高そうなレストランに頼ることにします。もちろんの2等船室なので早く行かないと寝る場所が確保できないと思った2人。こんなギリギリに到着してしまったのでは絶対に場所は確保できないと絶望的な思いで客室へ。

すると、ちゃんと2等船室の部屋があり、ひとりひとりマットと枕が用意されている。この船は四国に立ち寄って大分まで行くのだが、5階は大分まで行く人用、4階は四国行きの人用、と部屋がちゃんと別れている。なんだ。心配しなくてもちゃんと寝る場所は確保してくれているぢゃないか!しかもマットレスも枕も毛布もあるぢゃないか!パンパンのかばんにギューギュー寝袋詰め込んで持って来たっていうのに・・・。

フェリーの中にはお風呂まである。窓から外の景色(すなわち海)が見える。「すれちがう船からすっぽんぽんの姿が丸見えぢゃぁないか」とも思うが、遠ざかる陸地とあたり一面の海を眺めながら風呂に入るというのは大変気持ちのいいものである。

今回は現地3泊4日で、ルーティングはこのような予定

(1日目)大分→阿蘇→熊本市内→阿蘇泊
(2日目)阿蘇→宮崎山中の林道→椎葉→えびの京町温泉泊
(3日目)えびの→鹿児島→指宿→開聞岳→鹿児島市内泊
(4日目)鹿児島→桜島→霧島→えびの高原→志布志港

しかも今回の旅において我々に科されたミッションが2つある。
1つは師匠の前勤務先の先輩であるM宅氏に熊本で会い、「馬刺し」をご馳走になること。
もう1つは師匠の両親が新婚旅行で記念植樹した木を開聞岳で見つけてくること。

果たしてミッションコンプリートなるかっ!?それともミッションインポシブルなのかっ!?

大雨警報、火山警告の阿蘇

5月1日、朝5:50。大分港入港。フェリーからでてくるとなんだか怪しい空模様。そういえば天気予報では今日は雨となっていた。阿蘇を眺めながら、最近無料になったという「やまなみハイウェイ」を走る予定なのだが、雨が降られては景色を見ている余裕もない。

乗船前に食料調達していなかったので、船から下りてからの朝ごはん。メニューは定番のコンビニ朝食。ちょうどちょっと走ったらローソンが見えたのでそこで朝食をとることにした。雨もパラパラ降り出した。パンと飲むヨーグルトというとっても健康的なブレックファストだ。コンビニの外で朝ご飯を食べていると三河ナンバーの単車がやってきた。

「いやぁ〜雨ですねぇ。これからどちらいかれるんですか?」
「阿蘇です。」
「僕も阿蘇です。もう、阿蘇周辺でゆっくりしようと思って。2人ですか?DRとセローで?」
「ええ。」
「僕も前はオフ乗ってたんですけどね。最近は林道も少なくなったし今はすっかりオンですよ。僕も朝ごはん買ってこよっと。」

などと、ローソンの軒下で交流を深めているうちに雨は次第に強くなる。カッパを着用。そんなこともあろうかと、カッパを新調してきて正解。ゴアテックスの靴下も買おうかどうしようか悩んだ末、7000円という値段に「また次回・・・」と先延ばししたことを、この後すぐに後悔するハメになる。

大分港から国道10号線→県道11号線で湯布院方面へ。このあたりは走っていても硫黄のにおいがプンプンしている。「ああ、湯布院で温泉に入りてぇ〜」しかしまだ走り出して1時間もたってない。すでに手袋はギュッとしぼると水がボトボトっとおちてくるほどぐっちょリ。そしてブーツの中にも水たまりができており、足先を上にむけると水がかかとの方へジャーっと流れてくるのがわかる。おお、ゴアテックスよ。なぜ買わなかったのか!

やまなみハイウェイを走っていると雷まで鳴り出した。景色はおろか前もなんにも見えない。私の前を走る師匠がハザードをたいてくれていなかったら、霧で道がまったく見えずカーブに突進していってたかもしれない。阿蘇山頂まで上がるがなんにも見えない。

おまけに火山活動でロープウェイも動いていない。

途中カルスト台地をとおり、岩がゴロゴロしているのがちらりと見えたが、あまりにも雨がひどいので停まって写真をとる気にもなれず、ただひたすら走る走る。目指すは師匠の先輩M宅氏との待ち合わせ場所である「道の駅大津(おおづ)」!

感動の再会、感動の馬刺し

国道57号線沿いにある道の駅「大津」。熊本市街にとても近いところなのだが、ほとんど観光せずひたすら走ったので12時前には到着。ちょうど道の駅の駐車場に入っていくと見たことのあるレガシィが停まっていた。師匠、前勤務先の先輩と感動の再会である(実はつい先月会ったところなのだが・・・)。

打ち合わせでは「バイクで熊本市内の観光ってのも邪魔だろうから、バイクはうちに置いてって、車でまわったら?」ということだったのだが、とりあえずこのびちょびちょの状態で車にのるわけにはいかないのでまずは着替えたい。というわけでまずM宅宅へ(だぶりじゃないですよ。M宅さんのお宅ね)。

M宅宅で単車を置き、ブーツを脱ぎ、モトパンをジーンズに履き替え、ジャージをTシャツに着替え、一般観光客並みの格好をして熊本市内へ馬刺しを食べに行く。馬刺しが熊本名物だとは知らなかったが、熊本在住人が「うまいところに連れて行ってやる」と言うのだから楽しみだ。

そしてこれがうわさの馬刺し。今回やってきたのは熊本駅前商店街の横道を入ったところにあるお店。どうやら地元では「馬刺しと言えばここ」という有名なお店らしい。M宅氏はちゃんと予約までしていてくれたのである。お昼の懐石御膳なるものがあったのでそれにする。

本日の懐石御膳メニュー。
 からしレンコン、一文字のぐるぐる、さくら納豆
 馬刺し
 豆腐の田楽
 たち魚の煮付け
 馬肉のすき焼き
 だご汁
 ご飯、おつけもの

どうです、豪華でしょ〜。写真は2皿目の馬刺し。白いのは馬のたてがみのところの肉で、黒っぽいのはレバーです。師匠は「けだものの味がする」と言ってましたが、私には牛刺しと何ら変わらず、くせが無くて食べやすかった。それに、馬ってけだものか?

すっかりお腹いっぱいご馳走になり、腹ごなしにちょっと歩いて熊本城へ。いよいよ観光客みたいです(っていうか観光客でしょう)。しかしお城は修復作業中かなんかで見えず、ゆっくりしすぎたのでそろそろM宅宅へもどることにする。せっかくさっぱりしたのに、またあのびちゃびちゃのブーツを履くのは地獄です。でもあれしかないのでしょうがない。モトクロスブーツとスリッパしかもってきてないのだ。スリッパで単車は乗れない。

今日のお宿は阿蘇の南にある「そよ風パーク」というところ。2,3日前にインターネットでさがしまくって、ゴールデンウィークにあいてる宿を見つけるのに苦労した(宿の手配が遅すぎるよなぁ)。ラッキーなことに、安くてよさげな宿がたまたまこの日あいていて、場所もちょうどいいところにあり明日の林道にも近くで最高。部屋はロフト付きで4人まで泊まれるというのでM宅氏もご招待したのだが「今晩から実家に帰る」というので2人で泊まることになった。

まずは風呂。そして飯。この「そよ風パーク」は研修施設とコテージ、温泉、レストラン、特産物コーナー、体験コーナーみたいなものが一緒になった広大な敷地で、私たちの泊まった宿のある建物(ホテル)には会議場まであった。コテージの方では家族連れがデッキでバーベキューなどしている。もっと大勢できても楽しそうだ(安上がりだし)。ホテルから温泉まではちょっと離れているので「送迎します」とサービス満点。チェックインの時もドロドロのブーツで入っていくのをためらったが「どうぞそのままおあがりください」と非常に従業員の応対もよろしい。とってもいいところだが、まわりにはなんにもない。唯一、敷地内にあるレストランも夜の8時には閉店するというので、いそいで風呂に入り、ご飯食べに行った。

わたしはメニューを見ながら「この、きつねうどんと、特製きつねうどんって150円も差があるけど、なにがどう違うのかねぇ〜?」と、特製きつねうどんを注文。そして・・・・。150円の差はきつねのあげの大きさの差であることが判明。たかがあげだと侮ってはいけない。食べ終わると胃袋の半分くらいあげ。うどんよりあげのほうが食べ応えあり。どのくらいおおきいかというと、私の顔くらいのでかさがある。

あげを食べ終えて部屋に戻る。部屋中うめつくすようにありとあらゆるものが干されている。かばんの中までびちゃびちゃで、師匠は財布の中の1000円札まで干していた(1000円じゃなく10000円札干せよ)。部屋が広くてよかったよー。冷房もガンガンにきいているので、エアコンの吹き出し口の下にブーツを並べ、ブーツの中にはトイレから失敬してきたペーパータオルをしこたま詰め込んである。これで明日は万全!

本日の走行距離----200km