淡路島 初日の出ツーリング (その1)

2005/01/01 兵庫県 淡路島

  • 走行距離 : 197km
  • 参加者 : たみたん、師匠、N尾さん
 
マジで行くんすかっ?雪降ってますよ?

12月31日。大晦日。朝(というか昼)目がさめると外は銀世界だった。

つまり雪が降っているということです。それでもって雪が積もっているということです。

そんな中、私たちは初日の出を見に淡路島へツーリングに行こうという計画をしていたのです。「ほんとに行くの?」「う〜ん、どうしようかねぇっ。天気次第やなぁ・・・」と、さすがに雪がつもっていちゃぁムリでしょうから、しばらく様子を見ることにした。N尾さんはいつものごとくバリバリ行く気マンマンで、「集合はどこに何時?」と雪が降る中、メールが届く。この人には雪なんて空中のホコリにすぎないに違いない!

それでもって、師匠と私は大晦日の晩に初詣という家族イベントがある。すなわち睡眠時間が無いわけである。寒さ+雪+睡眠不足というバッチリの好条件で一年の最初を飾るわけであります。結局、地上に積もった雪は昼過ぎには解け、天気予報でも元旦の日は曇りということで雪はまぬがれそうだ。AM4時に明石のたこフェリー乗り場に集合ということで、初日の出ツーリング決行が決定!死ぬ気で行きます。

DR-Zエンジンかからず

初詣から帰ってきて、1時間ほど仮眠。4時に目覚ましにたたき起こされ、超寒いなか身支度をする。これ以上着れないというほど着込む。上が6枚。下もスパッツはいて、ジーンズはいて、そのうえに破れたカッパをはき、靴下は2枚重ねにオフロードブーツです(林道を走るわけではない!)。それでもバイクで走り出したら寒いに違いない。

セロオをひっぱりだしてきて荷物の積み込みをする。セロオのシートに霜がおりてるっ!
荷物といったって、日帰りなのでそれほど必要ないはずなのだが、とにかく日の出を見るまで待たなくてはならないので、暖をとるためのストーブ、鍋焼きうどんやコーヒーなどを積み込む。クリスマスプレゼントとして師匠に買ってもらったキャリアが役に立ちます。

さて、荷物の積み込みも終わりいよいよ出発。予想通りにセロオのエンジンはなかなかかかりません。なんどもなんどもチョークを引きセルを回しますが、いっこうにかかる様子は無く、次第にバッテリーも弱ってきます。そんなとき「あってよかった!」と思うのがキック。私のセロオはおんぼろですが、キック付き。前のオーナーがオプションでつけていたようで、始動性の悪いセローにとって、非常に役に立ちます。ところが私はまだ自分でキックでかけれません(要特訓)。よって師匠にかけてもらいます。足の太さと蹴りの威力には自信があるのですが、セローをキックでかけるにはそうとうコツがいるとか。練習しましょう。

セロオのエンジンがようやくかかり、出発。朝の4時半です。お〜〜さぶっ!
ところが師匠のDRのエンジンも冷え切っていてかかりません。家の前の坂道を利用して押しがけしようとしますが、それでも無理。「ちょっとセローそこに置いといて、こっち手伝って。」と師匠。いま下ってきた坂道を、2人で重い重いDRを押し上げます。
結局家まで戻り、車のバッテリーにつないでこちらもようやくエンジン始動。やれやれ。やっとこさ出発です。

真夜中のたこフェリー

集合場所は明石から淡路島へ渡る「たこフェリー」乗り場。
早起きが得意のN尾さんも今日は寝坊してしまったということですが、こちらもエンジン始動に手間取っていたので、ちょうど良かった。それでも私たちが着いたときにはN尾さんはすでにコーヒーを手にしていました。
「あけましておめでとうございます」
「いやぁ、寒いっすねー。こんな日にバイク乗るなんて今年もあいかわらずバカですねぇ〜」
「曇りって言ってましたけど、なんとか日の出見れそうですね」
などと挨拶を交わす。それにしても寒い!

そんなことを言っていたら、ちょうどフェリーが出るところだったのであわててチケットを買い、乗り込みます。チケットは中型バイクとライダー1人で940円。淡路島まで30分くらいで着いちゃいます。
お正月の朝、ということで、初日の出を見に行く人も結構いるんじゃないかと思っていましたが、さすがにこんなに寒いとバイクは少ない。というか、車も人もいないぞ???ほとんど貸しきり状態です。お正月の朝っぱらから、こんなに寒い中日の出を待つなんて、なんかのバツゲームか?これは。

明石大橋お正月バージョン。
大晦日の晩からお正月にかけてはライトアップがグラデーションになります。0時ちょうどにポツポツポツと徐々にライトがついていったそうなのですが、その頃は仮眠中で見逃してしまいました。ハッ!と思って目がさめたら0時5分。今年は夢の中で年越しでした。

さて。たこフェリーの中にもやっぱり人はいなく、ソファーにごろっとくつろいで、たくさん着込んだ上着を一枚ずつはがし終わり、ようやく一息つこうとコーヒーを買ってきたところで、どうやら到着した模様。「コーヒー飲むヒマもないんかっ!」というほどあっという間に着いてしまったので、あわてて熱いコーヒーを流し込み極寒ツーリングに備えて体の中からあっためます。これで3分くらいは持つでしょう。

ありがたや〜 初日の出

今日のメインは初日の出を見ることと、道の駅スタンプラリー in 淡路島。
元旦から道の駅が開いているのかどうかは行ってみないとわからないが、スタンプラリーブックには「年末年始は休業」とは書いていないので、開いていると思われる。
どちらにせよ、淡路島1周まわるので、トイレ休憩に寄ることになるでしょう。

淡路島に入ってしばらく走っていると、ポツポツとヘッドライトに反射する雨らしき小粒。
「雨降ってきた〜」と言いながら走っているとこんどはバラバラという音。
これはあきらかに雨ではなく霰である。
ゆ〜きやこんこ、あ〜られやこんこ♪
などと歌っている場合ではない。あられが顔にあたって痛いじゃないの。というより、なんであられ降る中バイクで走ってるの?私たち。

洲本あたりで、途中の公衆トイレで休憩。自販機の缶コーヒーで凍りついた手を温めます。飲むのがもったいない。
そこは砂浜ひろがる海岸の公園。なんとなく海の向こうの空が白くなってきた。

「ひょっとしてもうそろそろ日の出ちゃうん?」(たみたん)
「ここで日の出を待ちますか?」(師匠)
「いやー、もうちょっと山の上からのほうがきれいに見えるやろ。」(N尾さん)
「でももうそろそろ出てきそうですねぇ」(たみたん)
「べつに日の出見れへんかってもええやろ?」(師匠)
「とりあえず、もうちょっと行こかー」(N尾さん)

ということで、もうちょっと走って山の上で日の出を待つことにしました。
ツーリングマップルに「眺望素晴らしい」と書いてある柏原山というところが今年の初日の出ポイント。山の上にあがる道は舗装されてるけどけっこう荒れてます。きのう降った雪がとけて、どろどろだし、それがこの夜の寒さで凍ってるんじゃないかとヒヤヒヤ。いつもよりましてゆっくり走る私。小降りですが雨も降ってます。寒すぎるっ!
上に屋根付きの展望台があるので、そこで鍋焼きうどんでもすすりながら初日の出を待つことにします。

結構厚く雲に覆われており、空はあきらかに明るくなって夜は明けているのですが、太陽が見えません。
「あの雲がじゃまやな」
「もうちょっと風がふいてくれれば、あの雲どっか行くかな」
「もうちょっとしたら日が上がってくるから、見えるんじゃない?」

などと言っていると・・・。

見えたーっ!!!

無事に初日の出が見えました。





作者:未明

作年:2005年元旦

タイトル:「初日の出に感激をおぼえる真冬のライダーたち」